英語が苦手な子のやる気を奪う言葉・育てる言葉とは?母親のNG集20と置き換え例

苦手克服コラム

こんにちは。英語塾コアラボ代表の染谷です。
毎日のように、保護者の方からご相談をいただくことがあります。
「子どもが英語の勉強をやってくれないんです」
「勉強しなさいと言うと、口答えしてくるんです」
「点数が上がらないから、ついきつく言ってしまって…」
こうした悩みをお持ちの保護者の方は、本当に多いんです。

でも実は、その「きつい言葉」が、お子さんのやる気をさらに奪ってしまっているとしたら、どうでしょう?
親の「一言」が、子どもの学習意欲に大きく影響することが、心理学的に明らかになっているんです。
今回は、英語が苦手な高校生を持つ保護者の方に向けて、「やる気を奪ってしまうNG集20」と「それを置き換える前向きな言葉」を、具体例とともにお伝えします。

目次

親の言葉が子どもの学習意欲に与える影響

「ダメ出し」が続くと、子どもは努力を諦める

英語が苦手な子どもは、すでに自信を失っています。
「自分は英語ができない」「どうせ頑張ってもできるようにならない」という思いを、心のどこかに抱えているんです。
そんな状態の時に、保護者から「何で点数が上がらないの?」「もっと頑張りなさい」といった「ダメ出し」を受け続けると、どうなるでしょう?
子どもはさらに自信を失い、「頑張ってもダメだから、もう勉強はいいや」と、努力を諦めてしまうんです。

心理学的根拠:「心理的安全性」が学習意欲を決める

教育心理学の研究では、「心理的安全性」(親に認められていると感じる安心感)が高いほど、子どもの学習意欲が高まることが明らかになっています。
逆に「親に否定されている」「認められていない」と感じると、学習意欲が大きく低下するんです。
つまり、親の言葉一つで、子どもの学習の質が大きく変わってしまうということなんですね。

「ダメ出し」と「認める」では、効果が全く違う

同じ結果に対しても、親の反応によって、子どもの反応は大きく変わります。
たとえば、テストで50点を取った場合。
「何で50点なの?ダメじゃない!」と言われるのと、「前回より10点上がったね。頑張ってるじゃない」と言われるのでは、子どもの気持ちは180度変わるんです。
同じ現実を見ても、親の言葉で「努力する価値がある」と感じるか「もう無駄だ」と感じるかが決まってしまうんです。

やる気を奪うNG集20と置き換え例

「親の一言でやる気が変わる」ポイント(心理的安全性の要旨)

NG1:「何で点数が上がらないの?」

この言葉は、子どもを詰問しているのと同じです。
子ども自身、点数が上がらないことで既に落ち込んでいるのに、この言葉をかけられると、さらに追い詰められた気持ちになってしまいます。

置き換え例:
「今回は50点だったんだね。前回と比べてどう思う?」
「どこが難しかったのか、一緒に見てみようか」

このように、「なぜ?」と責めるのではなく、「一緒に考えよう」という姿勢を示すことで、子どもは「親は自分を応援してくれている」と感じられます。

NG2:「また点数が下がったじゃない」

過去の失敗や悪い結果を何度も言及することは、子どもに「どうせできない」という自己否定感を与えてしまいます。

置き換え例:
「前回より難しくなったんだね。何か新しい単元があったのかな?」
「今回はうまくいかなかったけど、これからが大事だよ」

過去よりも「これからどうするか」に焦点を当てることで、子どもは前に進もうという気持ちが湧いてきます。

NG3:「兄妹は頑張ってるのに、あなたは…」

他者との比較は、子どもの自尊心を大きく傷つけます。
「兄妹と比べられている」と感じると、子どもは「自分は親に認められていない」という感覚を持つようになります。

置き換え例:
「あなたは、ここまで頑張ってきたんだね。これからも応援してるよ」
「あなたのペースで大丈夫。焦らなくていいんだよ」

兄妹ではなく、その子ども自身の努力や成長に目を向けることで、子どもは「自分は親に大切にされている」と感じられます。

NG4:「英語なんか、こんなのできなくてダメでしょ」

教科そのものを否定する言葉は、子どもの学習動機をゼロにしてしまいます。
「英語はつまらない」「自分には無理」という固定観念が強まってしまうんです。

置き換え例:
「英語って難しいよね。でも、少しずつできるようになってるよ」
「英語が得意な人だって、最初は苦手だったんだよ」

課題を認めながらも「できるようになる可能性がある」というメッセージを届けることが大切です。

NG5:「勉強しなさい!」

命令形の言葉は、子どもに反発を生じさせます。
特に思春期の子どもは、親からの命令を嫌がる傾向にあります。

置き換え例:
「今日はどのくらい英語をやる予定?」
「何か勉強で困ってることはない?」

命令ではなく「本人に考えさせる」ことで、子ども自身が主体的に勉強に取り組むようになります。

NG6:「この子は怠け者だから」

子どもの前で、または周りで「あの子は怠け者」という評価をされることは、子どもの自己イメージを固定化してしまいます。
子どもは「自分は怠け者なんだ」という思い込みを持つようになり、それに合わせた行動をするようになるんです。

置き換え例:
「あの子は、得意なことと苦手なことがあるんだね」
「今は英語に時間がかかってるけど、数学は得意だもんね」

子どもの全体像を見て、得意なことと苦手なことの両方を認識してあげることが大切です。

NG7:「どうせできっこない」

親が子どもの可能性を否定してしまうと、子ども自身も「本当にそうなんだ」と思い込んでしまいます。
これは「セルフフルフィリング・プロフェシー(自己成就予言)」という心理現象で、親の予言が現実になってしまうんです。

置き換え例:
「今は難しく感じるかもだけど、続ければできるようになるよ」
「時間がかかるかもだけど、あなたなら大丈夫」

親が子どもの可能性を信じることで、子ども自身も「やればできるかもしれない」という気持ちが生まれます。

NG8:「ほら見たことか。やっぱりできなかったじゃない」

失敗した時に「ほら見たことか」と言われると、子どもは「親は自分の失敗を待っていたんだ」と感じてしまいます。
これは、親が味方ではなく、敵だと感じさせてしまう言葉です。

置き換え例:
「今回はうまくいかなかったんだね。何が難しかった?」
「失敗は誰にでもあるんだよ。大事なのは、そこからどうするかだよ」

失敗を責めるのではなく「そこから学べることを一緒に探す」という姿勢が大切です。

NG9:「あなたのために言ってるんでしょ」

この言葉は「親の気持ち」を押し付ける言葉です。
子どもは「親の期待に応えなきゃ」というプレッシャーを感じ、それが続くとやる気を失ってしまいます。

置き換え例:
「あなたが頑張ってるのが、親として嬉しいんだよ」
「応援してるからね。何か困ったことがあったら言ってね」

親の気持ちではなく「子どもの気持ち」「子どもの目標」に焦点を当てることが重要です。

NG10:「他にやることはないの?」

子どもが勉強をしていても、この言葉をかけられると「親は自分の勉強を認めていないんだ」と感じてしまいます。

置き換え例:
「勉強してるんだね。頑張ってるね」
「どのくらい進めようと思ってるの?」

勉強に取り組む姿勢を認めて、励ましてあげることが大切です。

NG11:「こんなのできなくて、大丈夫?」

不安を押し付ける言葉は、子どもに「親も自分のことを信じていない」という感覚を与えてしまいます。

置き換え例:
「この問題、難しいね。一緒にやってみようか」
「わかるようになるまで、時間がかかるかもだけど、大丈夫だよ」

不安ではなく「一緒にやろう」という安心感を与えることが大切です。

NG12:「また同じ間違いをして」

同じ間違いを繰り返すことは、子どもにとっても悔しいことです。
その時に「また」と言われると、さらに落ち込んでしまいます。

置き換え例:
「この間違い、前にも出てたね。どうやって対策しようか」
「同じ間違いを減らしていくのが大事だね。一緒に考えようか」

責めるのではなく「同じ間違いを繰らさないための工夫」を一緒に考えることが大切です。

NG13:「勉強できなくても、人間的にはいい子だからいいか」

これは、一見すると優しい言葉に聞こえますが、実は「勉強ができないこと」を認めてしまっている言葉です。
子どもは「自分は勉強ができない人なんだ」という自己イメージを持つようになってしまいます。

置き換え例:
「あなたは人間的に素晴らしい子だし、勉強だってできるようになるよ」
「いい子だからこそ、勉強だって頑張ってみようよ」

「人間的な価値」と「学習能力」の両方を信じてあげることが大切です。

NG14:「親の時代とは違う」

親の時代の話を持ち出されると、子どもは「親は自分の時代を理解していない」と感じてしまいます。

置き換え例:
「今の勉強方法は難しくなってるんだね。どこが難しいのか教えてくれる?」
「今の教育ってどんな感じ?親も知りたいな」

親が子どもの時代や状況を理解しようとする姿勢を見せることが大切です。

NG15:「やる気がないから」

「やる気がない」という決めつけは、子どもの努力を全否定する言葉です。
実は、子どもに「やる気がない」のではなく「何をやればいいかわからない」「続ける方法がわからない」というだけかもしれません。

置き換え例:
「何がやりにくいのかな?」
「どんなふうにやったら続けられそう?」

やる気の有無を判断するのではなく「今の状況を一緒に整理しよう」という姿勢が大切です。

NG16:「テストの前日になって焦ってるんでしょ」

後から「ほら見たことか」と言うための伏線として、この言葉を使う保護者もいます。
これは、親が子どもの失敗を「予言」しているのと同じです。

置き換え例:
「テスト前は焦るよね。今から何ができるか、一緒に考えようか」
「計画的にやるのは難しいよね。一緒にスケジュールを立ててみようか」

焦りを認めながら「一緒に対策しよう」という姿勢を示すことが大切です。

NG17:「こんなことも知らないの?」

知識や理解の不足を批判する言葉は、子どもの「知りたい欲求」を削いでしまいます。
子どもは「質問したら馬鹿にされる」と感じるようになり、わからないことを親に相談しなくなってしまいます。

置き換え例:
「そんなことあるよね。一緒に調べようか」
「その単元、難しいんだよね。どこが引っかかってるの?」

知らないことを恥ずかしくない、むしろ「一緒に学ぶチャンス」という環境を作ることが大切です。

NG18:「もう高校生なんだから、自分でやりなさい」

自立を促すことは大切ですが、英語が苦手で悩んでいる時にこの言葉を言われると、子どもは「親は自分の苦しみを理解していない」と感じてしまいます。

置き換え例:
「高校生だからこそ、大事なことがあるんだよ。手伝えることはある?」
「自分で進める力は大事だけど、困ったことがあったら言ってね」

自立を促しながらも「サポートは惜しまない」というメッセージを届けることが大切です。

NG19:「テストの点数が全部」

点数だけを評価の基準にする言葉は、子どもにとって大きなプレッシャーになります。
また、過程(どれだけ頑張ったか)を無視することで、子どもは「結果だけが大事なんだ」と思い込むようになってしまいます。

置き換え例:
「点数も大事だけど、どれだけ頑張ったかが一番大事なんだよ」
「今回50点だったけど、前回より10点上がったね。その頑張りが一番大事だよ」

プロセスを評価することで、子どもは「頑張ることに価値がある」と感じるようになります。

NG20:「もう遅い」

この言葉は、子どもの可能性を完全に奪う言葉です。
「もう手遅れだ」と思い込まされた子どもは、努力をすることをやめてしまいます。

置き換え例:
「ここからが勝負だよ。今からでも頑張ればできるよ」
「遅すぎることはない。一緒に頑張ろう」

いつでも「もう一度チャンスがある」というメッセージを届けることが大切です。

「置き換え言葉」の3つの特徴

① 質問形で「一緒に考える」姿勢を示す

「NG言葉」は、多くの場合、親が一方的に判断や命令をしています。
一方、「置き換え言葉」は、質問形で「子どもに考えさせる」「一緒に考える」という姿勢を示しています。

「何で点数が上がらないの?」ではなく「今回はどこが難しかったの?」
「勉強しなさい」ではなく「今日はどのくらい勉強する予定?」
このように、質問形で子ども自身に考えさせることが、子どものやる気につながるんです。

② 過去を責めるのではなく、「これから」に焦点を当てる

「また点数が下がったじゃない」「ほら見たことか」というような過去を責める言葉ではなく、「これからどうするか」という未来に焦点を当てることが大切です。

子どもは「自分は失敗しても、また頑張ればいいんだ」という気持ちが生まれ、前に進もうという勇気が湧いてきます。

③ 子どもの努力や成長を認める

「置き換え言葉」には、必ず「認める」というエッセンスが入っています。
「前回より10点上がったね」「頑張ってるね」「その工夫、いいね」というように、結果ではなく「努力」や「プロセス」を認めることで、子どもは「自分は認められている」と感じられます。

毎日使える「置き換え言葉」10選

ここからは、毎日の生活で使える「置き換え言葉」10選を紹介します。
これらを意識的に使うようにしてみてください。

そのまま使える置き換え例(抜粋)(NG→OKの対比を見やすく)

子どもの「やる気」を育てる3つの親の姿勢

① 「完璧」を求めない

子どもが「テストで満点を取ろう」という時もあれば、「とにかく及第点を取ろう」という時もあります。
その都度、親が「満点を目指しなさい」と強いるのではなく、「今のあなたのペースで頑張ろう」という柔軟性が大切です。

② 子ども自身に「決めさせる」

「何時まで勉強する」「何から勉強する」という決定を、子ども自身にさせることが重要です。
親が一方的に決めるのではなく、「あなたはどうしたい?」と聞くことで、子どもは主体性を持つようになります。

③ 小さな成長を「ほめる」

「点数が10点上がった」という大きな成長だけでなく、「今日は単語を30個覚えた」「長文を1題読んだ」という小さな成長も、しっかり褒めてあげることが大切です。
小さな成功体験の積み重ねが、子どもの自信につながり、最終的に大きな成長をもたらすんです。

親自身の「心構え」も大切

「子どもは親の鏡」という事実

親が焦ったり、イライラしたりしていると、子どもはそれを感じ取り、同じように焦ったりイライラしたりするようになります。
逆に、親が「大丈夫だよ」「一緒に頑張ろう」という安定した姿勢を示していると、子どもも安心して勉強に取り組むことができるんです。

親の不安が、子どもの不安になる

親が「この子、大丈夫だろうか…」という不安を持っていると、その不安が子どもに伝わってしまいます。
子どもは「親さえ自分を信じていないんだ」と感じ、さらに不安になってしまうんです。
親自身が「この子は絶対にできるようになる」という確信を持つことが、とても大切です。

まとめ:親の言葉一つで、子どもの人生が変わる

英語が苦手な高校生を持つ保護者の方の中には、つい「何で点数が上がらないの?」「もっと頑張りなさい」といった言葉をかけてしまう人が多いんです。
でも、その一言が、子どもの学習意欲を奪い、自信を失わせているとしたら…?

今回お伝えした「NG言葉20」と「置き換え言葉」を意識的に使うようにしてみてください。
言葉一つを変えるだけで、子どもの反応は大きく変わり、親子関係も改善され、そして何より、子どもの学習意欲が蘇ります。

親の「一言」が、子どもの人生を左右することもあるんです。
だからこそ、その一言を大切に、子どもを応援するメッセージを届けてあげてくださいね。
英語が苦手でも、「親が応援してくれている」「自分はやればできる」という気持ちを持つ子どもは、必ず伸びていきます。
その第一歩は、親の言葉から始まるんです。

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